加熱式たばこPloom X用「メビウス」がフルリニューアル!「本物のたばこ感」と「500円への値下げ」を両立させた狙いとは

JTの加熱式たばこ用デバイス「プルーム・エックス(Ploom X)」のメビウスブランド8銘柄が3月20日からリニューアル発売された。日本の喫煙者向けの嗜好に合わせたブレンドに味わいを変えるとともに、570円から500円へと値下げも両立した今回のリニューアル。3月30日、Ploom Shop 銀座店で開催されたリニューアルイベントの模様とともに、JTの製品開発担当者に、新メビウス開発の舞台裏について話を訊いた。

リニューアルしたPloomX用「メビウス」と数量限定発売の「PloomX ディープスカイブルー」
リニューアルしたPloomX用「メビウス」と数量限定発売の「PloomX ディープスカイブルー」


日本の嗜好に合わせたブレンドで紙巻たばこに近い味わいに進化

1977年にマイルドセブンとして発売した「メビウス」ブランドは、発売翌年の1978年以降、45年連続で紙巻たばこブランドのシェア1位を獲得する日本のたばこの代名詞的存在。2021年8月に発売された加熱式たばこデバイス「Ploom X」においても主要銘柄としてラインナップされている。

Ploom Shop銀座で開催されたリニューアルイベントの様子
Ploom Shop銀座で開催されたリニューアルイベントの様子


Ploom Xそのものも、2022年には37億本のたばこスティックを販売し、2021年との比較では約2倍に伸長と、ユーザーから支持を集めている。そうした中でも「加熱式たばこに対して、紙巻たばこに近い味わいや吸い応え、お求めやすい価格と言った点にご満足いただけていないお客様が約20%いらっしゃることが調査で判明いたしました」(JTブランドマネージャー井上開斗さん)と、現状の加熱式たばこに妥協しながら使用しているユーザーの声を受け、メビウスのフルリニューアルに至ったという。


商品ラインナップは、レギュラーの「メビウス・ディープ・レギュラー」「メビウス・スムース・レギュラー」、メンソールの「メビウス・シャープ・コールド・メンソール」「メビウス・コールド・メンソール」、フレーバーカプセル入りの「メビウス・パープル・オプション」「メビウス・イエロー・オプション」「メビウス・マスカットグリーン・オプション」「メビウス・レッド・オプション」の全8銘柄。8銘柄全てで「本物のたばこ感」を追求するためのブレンド“ACTIVBLEND for Japan”を採用し、レギュラーとメンソールの4銘柄では味・香りも変更を加えた。パッケージでは奥行きを感じさせる重層的なデザインを採用し、また価格面では従来の570円から500円に値下げに踏み切った。

新しいメビウスはレギュラー・メンソール・カプセルフレーバーの全8銘柄
新しいメビウスはレギュラー・メンソール・カプセルフレーバーの全8銘柄


30日のイベントではリニューアルの概要説明とともに、「Ploom」シリーズのたばこスティックの開発に携わる“JTマスターブレンダー”の西野創さんと、エースホテル京都でバーテンダーを勤める齋藤隆一さんのトークセッションも行われた。

「『吸った瞬間にわかるひと口目からの味の濃さ』、『最後まで続くクリアな旨味』、『確かな煙量感』がポイント」(西野さん)
「『吸った瞬間にわかるひと口目からの味の濃さ』、『最後まで続くクリアな旨味』、『確かな煙量感』がポイント」(西野さん)


今回の製品開発を担当するとともに、メビウスの前身であるマイルドセブンの開発も行ってきた西野創さんは「本物のたばこ感とは、『吸った瞬間にわかるひと口目からの味の濃さ』、『最後まで続くクリアな旨味』、『確かな煙量感』がポイントだと思っています。こちらを実現するために、香料を含め原材料を一からすべて厳選しなおし、一銘柄につきプロトタイプを数十パターン作成しました。たばこ葉の組み合わせだけではなく、Ploom Xの加熱技術であるHEATFLOWとの相性や、日本人のお客様の嗜好を考えて全8銘柄で見直しを検討し、レギュラーとメンソールの4銘柄について、味・香りの変更を行いました」とブレンドの方向性を語った。

「以前の加熱式たばことは全然違う印象」と評する齋藤さん
「以前の加熱式たばことは全然違う印象」と評する齋藤さん


ゲストの齋藤さんも実際にリニューアルしたメビウスを体験し、「本物のたばこ感を感じる味わいと香りでしたね。特に『メビウス・ディープ・レギュラー』は、(パッケージの)蓋を開けた瞬間に香る、キャラメルやシナモンのような香ばしい香りが期待値を上げるフレーバーなんです。実際に吸ってみるとひと口目からのインパクトがとても長いし、余韻もあり、雑味なく最後までバランスよく楽しめる、昔吸っていた加熱式たばことは全然違う印象でした」と、大きな変化を感じたと感想を明かした。

「いいものができたという自負があります」開発コストは妥協せず500円へ値下げのワケ

「味わい」「デザイン」「価格」の3つを軸に大きく刷新されたPloom X用のメビウス。イベント後、ウォーカープラスは西野さんとJTブランドマネージャーの山下佳祐さんに取材を行い、リニューアルの裏側をうかがった。

JTブランドマネージャーの山下佳祐さん(写真左)とJTマスターブレンダーの西野創さん(写真右)
JTブランドマネージャーの山下佳祐さん(写真左)とJTマスターブレンダーの西野創さん(写真右)


西野さんは日本の喫煙者の嗜好について「日本のお客様は味覚・嗅覚が繊細で、スムースさがないとどんな味や香りをつけても受け入れてもらえないところがある」と話し、「力強さを担保しながら、かつ刺激を下げてスムースにするというところが開発では一番難しかったところです」と製品開発での苦労を振り返る。

一方、Ploom Xの加熱技術だからこそ実現できた点もあるといい、「たとえば『メビウス・ディープ・レギュラー』の甘いフレーバーは、実は初代Ploom Sの時に出来ていたレシピです。当時のブレンド・当時のデバイスでは香料だけが強くプロトタイプであまりいい評価を得られなかったのですが、今回ブレンドとデバイスの両者が向上したことで、強い香りとのバランスが取れるようになりました」と、これまでの製品開発の積み重ねが活かされていると話す。

また、山下さんは「リニューアルでいい製品ができたという思いがまずあるのですが、価格が少し高いだけでなかなか新製品は試してもらえないというのが事実ではあります。その中でいかに興味を持っていただけるかという広告作りには苦労しましたし、お求めやすい価格として500円というジャストプライスで発売することといたしました」と、製品を届けたいための値下げであると話す。

西野さんも「品質の部分と価格の部分は切り離して考えていて、品質においてはコスト面での妥協はしていません。いいものができたという自負がありますし、お手に取ってもらえればご満足していただきながら『手に取りやすい価格にした』ということに納得していただけると思います」と、値下げによる味わいへの影響は一切ないと強調する。

そうした今回のリニューアルで、西野さん、山下さんともに一番のポイントに挙げたのはやはり「味わい」。西野さんは「一番感じていただきたいのは『今までの加熱式たばこと違う』ということなんです。簡潔に言えば紙巻たばこの味わいにかなり近づいていると思います。その差をよく思うか悪く思うかはお客様それぞれの感覚ですが、まずは“違う”ということを実感していただきたい」と自信をのぞかせる。

山下さんも「紙巻たばこのシェアではレギュラーが7割、メンソールなどのフレーバーが3割という比率なのですが、加熱式たばこではこれが逆転しています。レギュラーだと紙巻と加熱式で喫味の違いを感じるので、紙巻はレギュラーでも加熱式ではフレーバーを選ぶという状況が、加熱式たばこが登場して以来ずっと続いています。ただ、今回のメビウスのレギュラーは『これなら大丈夫』だと自信を持って言える出来ですので、加熱式のレギュラーを敬遠されてしまう方にも是非試していただきたいと思っています」と言葉を重ねた。

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