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トリガール!イラスト/宮尾和孝
トリガール!

中村航の最新作!青春小説『トリガール!』を大特集!

毎年恒例の大人気イベント「鳥人間コンテスト」を題材にした小説『トリガール!』の著者・中村航と2011年の大会優勝者・中村拓磨氏との対談や、『鳥人間コンテスト2012』フォトレポートなど、これを見れば『トリガール!』がもっと楽しく読める!

2011年鳥人間コンテスト優勝者中村拓磨氏と
著者 中村 航による対談!!


「鳥人間コンテスト2011」人力プロペラ機ディスタンス部門、優勝チームの東北大学「Windnauts」パイロット。その操縦模様が動画サイトで話題となり一躍有名となった中村拓磨氏と「トリガール!」著者・中村 航との対談が実現!琵琶湖上空に魅せられ鳥人間コンテストに燃えた男ふたりが、大会について熱く語る!

■伝説となったパイロット

航:えーっと、まず、拓磨君のことを知らない人もいると思うんですが、2011年の「鳥人間コンテスト」、プロペラ機ディスタンス部門で優勝した東北大学「ウインドノーツ」のパイロットさんです。彼のすさまじいフライトは、伝説になっていて、まだ見たことない人は検索して動画を見てみるといいと思う。

拓磨:伝説ですかね?

航:飛んだ距離は、歴代八位。でもあんなガッツのあるフライトは見たことない。というより、あんなに気合いが渦巻く“映像”ってものを、見たことがないなあ。

拓磨:うちのチームの中での記録としては、四番目なんですよね。飛行距離だけならだいぶ飛んでますけど。

航:記録は18キロ。人力飛行機で18キロ飛んじゃうってだけでも、すごいと思うけど。拓磨君のフライトは飛び立ってから一回逆走しちゃって、誰もがそこで終わったと思った。でもそこから機体を立て直して、18キロまで到達したと。

拓磨:そうですね、直線距離じゃなく、飛び続けた距離は35キロくらいで、西脇さんという、うちのチームの歴代1位記録を持ってるパイロットの次ぐらい、距離的にも時間的にも長く飛んでます。





■『トリガール!』誕生のきっかけ

航:昨年は震災があって、実際には機体を完成させるのも大変だったんじゃないんですか?

拓磨:昨年は例年と比べて、制作はだいぶ順調だったんですよね。で、震災で一ヶ月半くらい遅れになって、電気も無かったんで作業もできなくて。部員も実家に帰ったりとかして・・・・・・。

航:その間、拓磨君はどうしていたんですか?

拓磨:一番怖かったのは体力が落ちることだったんで、実家の方にあったジムに毎日行って漕いでいました。4月下旬には、ほとんどの部員が大学に戻ってきて、5月中旬くらい正式に再スタートしました。本当にぼろぼろの作業場だったんですけど、機体は無事でした。奇跡的ですよね。

航:その震災を経て、本番にのぞんだ東北大学ですが、パイロットの中村拓磨くんの奮闘もあって、感動の優勝をする。あのガッツあるフライトは、その後、反響がすごかったんじゃないですか?

拓磨:いや、アメリカにいたんで。

航:大会後すぐに渡米したんですか?

拓磨:日本で放送を見てないんですよね。友達が送ってくれたものをアメリカで観て。

航:知らない人は、ユーチューブとかで絶対見た方がいいと思うんだけども(笑)、拓磨くんの気合い溢れるシャウトに、息を呑みました。ネットでは鳥人間コンテストの枠を超えた反響があって・・・・・・。友達からなんかすごいことになってるぞ、みたいには言われなかったの? ご家族とか心配しなかった?

拓磨:家族は、放送見たよ、日本にはいつ帰ってくるの、みたいな。のほほんとしているんです。友達は結構メールしてくれましたね。

航:小説『トリガール!』の、プロットは五年くらい前から温めてたんです。だけど書き始めたのは、あの映像を観てから。だから作品の冒頭、新入生歓迎の時に「鳥人間コンテスト」のビデオ流しているシーンがあって。

拓磨:これは多分、僕がモデルになってるんじゃないかと、読みながら思いました。

航:ああ! 読んでくれてありがとう。





■『トリガール!』のリアルさ


拓磨:『トリガール!』を読んですごい面白かったのは、芝浦工業大学がモデルになっていると思うんですが、大学によって結構、鳥人間サークルの様子が違うんだなって。例えばうちの大学だと、坂場先輩や圭みたいに一回飛んだことのあるパイロットが、翌年も飛ぶとか絶対にないですし、ゆきなのような一年生がいきなり班に配属されてるじゃないですか。

航:あー、でも芝浦の部員は実際には、全員が翼班に配属されるらしくって、小説とは違いますね。一年生は翼にフィルムを貼る作業をして、お疲れさまー、ってなるんだけど、帰ったあとで、先輩たちがみんなフィルムをはがして、また一から貼り直すらしい。

拓磨:『トリガール!』を読んで一番思ったのは、やっぱりリアルだなって。僕が経験した鳥人間生活を思い出させてくれるような。ゆきなは、飛行機の機体のことはあんまり知らない感じの女の子だけど、僕もパイロットやりたい! ってサークルに入ったんで、機体のことは全然知らなかったんです。でもうちの機体設計をやった桂っていう部員とかは、最初から飛行機好きな人間で、空力とかペラ効率の話をしてるんです。僕はなんだそりゃとか思いながら聞いていたんですが、ゆきなもそんなことを感じながら和美の話を聞いている描写があったりするのは、懐かしい感じだなぁと。本当に・・・・・・、たいていの鳥人間が経験するような流れに沿って書いてあって面白かったですね。他のチームの普段の活動を知ることができたっていうのと、とにかくリアルなストーリーだったので、鳥人間をやっている人たちにはすごい受けると思います!

航:ありがとうございます。でも「鳥人間コンテスト」にそれほど興味ない人にも、読んで欲しいんだよね。チーム、青春群像、恋、あとは・・・・・・雑学とか笑いとか、読みどころはいっぱいあると思う。

拓磨:「鳥人間コンテスト」っていうと、琵琶湖で変な格好をして落ちてくやつだよね、みたいなイメージですから、読んで興味を持ってもらえたら嬉しいですね。

航:そうだ! 拓磨くんは今、ものすごく良いことを言った。

拓磨:東北大にはこんなにキャラの濃い人間がいなかったので、こんなにいろいろな人がいたら、また違った楽しさがあったかもしれません。東北大は、東北の気質もあるのか、みんなわりと内気で寡黙に働いていて、怖い先輩もムキムキのパイロットもいませんでしたし。

航:いや、芝浦にもいないと思うよ(笑)。



(つづく)



右:「鳥人間コンテスト2011」伝説のパイロット、中村拓磨氏
左:著者 中村 航



著者 中村 航



「鳥人間コンテスト2011」伝説のパイロット、中村拓磨氏

撮影/野口彈




トリガール! 中村 航

【定価】1,470円(税込)
【体裁】四六判並製
【ページ数】251ページ
【ジャンル】小説
【発行】株式会社角川マガジンズ
【発売】株式会社角川グループパブリッシング
【ISBN】978-4-04-731868-7


【著者】
中村 航(なかむら・こう)
1969年岐阜県生まれ。2002年、『リレキショ』で「文藝賞」を受賞しデビュー。『夏休み』が芥川賞候補に。『ぐるぐるまわるすべり台』で「野間文芸新人賞」を受賞。その他の作品に『100回泣くこと』、『あなたがここにいて欲しい』などがある。

大学生のための読書講座

講師:中村 航
場所:金沢大学 角間キャンパス 中央図書館
(金沢市角間町 最寄駅:JR金沢駅)
日時:2012年11月10日(土)14:00~17:00
定員:50名
お申込み方法:参加申込書に必要事項をご記入の上、大学生協の書籍売り場カウンターへお持ちください。(または、FAX 078-252-7782宛にお送りください。)
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